2013年5月26日日曜日

美大を卒業後のこと

先週、建築家の石井君が遊びに来てくれました。

石井君の話はとても楽しいので、つい時間を忘れて大笑いしながら話込んでしまいました。
彼には、今回の新しい案内のコメントも執筆してもらい本当にありがたいです。
大きな仕事(影絵作家の藤城清治さんの美術館建設)を一つ終え、しばらくのんびりするそうなので、今週末は建築家仲間と房総半島の自転車ツーリングだそうです。
さわやかですね。(ぶっちゃけ羨ましいです)


個人的に、進路の考え方として、社会との関わり方を大事にして欲しいと思っています。
大学は社会へ出るための猶予期間という話をよく聞きますが、あまり鵜呑みにして欲しくありません。



大学で学ぶほとんどの事は社会からの情報です。

ですから、大学内の評価を考えるよりも、自分が社会に出てからどのように生きていきたいかを、教授方のお話や講義などで意識して行くことが大切です。

これは、絵画やデザインにとっても同じことですし、一般の大学へ進学しても一緒です。



小中高の学校時代は、あくまでも学校内での評価が基準です。
総合的な能力の高い子供が最も高い評価をもらえます。

でも、高校を卒業すると、学校内での評価よりも、自己と社会の認識の高い人が求められます。

高校時代に良い資質に恵まれたのなら、それを今度は社会に対してその能力をアプローチできることを探し、学んでいくことが大切なのです。

高校時代にバランスが悪い評価だった人も全然大丈夫です。

社会が本当に求めている人は、自分の良い資質を自分なりに打ち出すことが出来る人です。


ですから、前回の入学案内に引き続き、美大を卒業されてからの情報を重視したのは、大学へ進学すると言うことは「どうやって生きていきたいか」を学ぶためだと、高校時代から意識して欲しいからです。

予備校で教えられることは限られていますが、とても大切なことです。
あくまでそれは基礎ですが、大学へ行っても、社会へ出ても、根幹に必要なことだと自負しています。

これから、進学される方も、すでに大学に籍を置かれている方も、常に自分と社会との関わりを意識して欲しいと思います。



ちなみに、石井君が提示する土間を現代のリビングに取り入れた仕事が、今月の「GQ」と言う情報誌に取り上げられていますので、興味のある方は読んでみてください。














2013年5月22日水曜日

新入学案内とベーコン展

すっかり夏らしい陽気になりました。


新しい入学案内も出来上がり、新たに美大を卒業された方たちのコメントも追加して、進学だけではなく、美大を卒業した後の方向性についても参考に出来る内容にしました。
時間的に掲載しきれなかったコメントも、今後、機会を作って載せていきたいですね。
ご協力していただいたキサビの卒業生の皆さん、本当にありがとうございました。

【入学案内ご希望の方はこちらへ】
夏期講習会の案内ももうすぐ出来上がります。

背表紙の画像です。今回はシックな感じを目指しました。


先週の日曜日には、国立近代美術館で開催されている「フランシス・ベーコン展」を観てきました。
絵画的な理論以上に、心を揺さぶる表現力が凄いですね。
色使いも洒落ていて好きです。
常設展も、一度は教科書で観た作品がたくさん展示してあります。
今回は東京オリンピックの展示もあり、亀倉雄策のポスターなど、見ごたえがありました。
近代美術館は皇居の傍なので、東京駅まで散策しながら帰るのも楽しいです。

堀の周りはジョギングしている人で賑わっています。
江戸時代の人が見たらどう思うか想像すると楽しいです。

東京駅近くにあったクレーンですが、フックがグーグルマップの印みたいで思わず撮りました。
ただ、携帯ではなく、きちんとしたカメラを持っていけば、もっと面白く撮れたのに残念ですね。





2013年5月10日金曜日

武蔵野美大と多摩美大の成績開示

今週は、今年行われた武蔵野美術大学と多摩美術大学の入学試験の成績開示がありました。

昨年に引き続き、今年は実技の得点の中で満点だった人が2人もいます!

多摩美術大学のグラフィックデザイン学科では、満点が1人、9割5分が2人
武蔵野美大の視覚伝達デザイン学科では、満点が1人、9割5分が1人、8割が2人

情報や基礎デザイン学科でも、多くの方が9割~8割の高得点でした。

まだ、何人か連絡待ちの人がいますので、もう少し高得点者が増えるかもしれません。

昨年も書きましたが、受験で取り組んだ基礎的な課題は、美大へ行っても大切な考え方です。
今回の評価も自信に繋げて頑張ってほしいですね。


今年も高い合格率と高得点を目指して頑張ります!

2013年5月6日月曜日

ゴールデンウィークその2

先日はキサビの在学生達と校外学習という形で遠足へ出かけました。

最初に行った東京大学の標本博物館は、昨年見に行った東京都現代美術館の企画「特撮博物館」と同じ意欲的な展示に感心しました。

その分野に興味のある子供たちにとって多いに刺激的な見せ方だったように感じました。


森美術館の「LOVE展」も意欲的な企画でした。
私利私欲の無い事に愛を感じる人もいれば、愛を与えていると思っていても何も感じてくれない事も多くあると思います。
欲望や嫉妬、妬みなども愛と呼べるのか?という疑問もあると思います。
また、人の思いとは別に自然の現象にも愛を感じる人もいます。
そんな思いを作品にした作家達の展示でした。

若干分りにくい内容だった気もしますが、学生達にとっては良い切欠になってくれたかもしれません。



解散後、個人的にワタリウム美術館で開催されている「JR展」に行きました。

昨年、「ひっくりかえる展」に一緒に行った学生達から、その時に取り上げられていた作家の企画展が面白かったということで、少し足を伸ばしてみました。

ただ、今回は展示を観るというよりも「JR」の企画に参加するという点で充実した内容です。

あえてJRを紹介すると、

以前、治安が非常に悪い地域で警察の怠慢から2人の学生がマフィアに惨殺されました。
そこでJRは、彼らが殺された場所に彼らの母親や親族の写真を大きく拡大してゲリラ的に貼り付けます。
また、その地域のあちらこちらで視線を意味する両目を拡大した写真を貼り付けます。
特に活動の説明はありませんので、当初住民は困惑しますが、その事実を知るに連れて社会対する意識を振り返る機会が芽生えていきます。

そのような活動を世界中で行っている作家です。

今回は日本もテーマです。

16時前には美術館へ入場しないと彼の今回の企画に参加できない可能性がありますので、興味がある方は早めに行かれた方がいいかもしれませんね。







2013年5月5日日曜日

ゴールデンウィークその1

連休中でキサビはお休みですが、連休の中日に引き続き、油絵科やデザイン科の多くの卒業生達が久しぶりに顔を見せに来てくれました。
本当に嬉しい限りです。

普段聞くことの出来ないことや話すことが出来ない経験が出来るのがいいですね。

いろいろ悩みや期待が大きくなる時期だと思います。
大学には教授に関わらず学生達も自分の経験や知識を分かち合いたい人が多くいます。
積極的に関わって今後の取り組み方に生かしてほしいと思います。


2013年5月1日水曜日

連休中日

今日は、今年、大学へ進学したキサビ卒の学生たちが遊びに来てくれました。
贔屓にしていたラーメン屋さんが、テナントの老朽化とご高齢のため引退なさると言うことで、みんなでお別れを兼ねて食事会に出かけました。
お店の方と記念写真と撮ったりと、なんだかほっこりした気持ちになりますね。

大学での様子を聞く限り、みんな楽しく大学生活に馴染んでいる様で安心しました。
また近況を聞かせてくださいね。


先日も、今年4年生になった人たちから、卒業後の進路について良い報告をしていただきました。
今後の活躍にも期待しています。
卒業制作も頑張ってね。絶対観にいきます!